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ライフル実包のハンドロードの話

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223Remingtonの実包は(おそらく)国内販売はしていないので、使う弾は全てハンドロードになります。競技用としてこの口径を選ぶ人はそこそこいるみたいで、薬莢と弾頭は種類は少ないものの国内の銃砲店で購入可能です。

ハンドロードした223Remington実包

機材を揃える

ハンドロードの機材はライフル所持の手続きと並行して揃えていました。国内に常に在庫があるとも限らないので、ある程度早めに揃えておかないと許可は降りたのに弾がない!なんてことにもなりかねないので笑

ネットで調べれば何が必要かはだいたいわかりますが、同じ道具でもメーカーによって精度や使い勝手などの違いはもちろんあるわけで、どれがいいか自分では決められなかったのでTwitterで先輩たちに色々と聞いてみました。私の場合は精度を追い求めると言うよりは、練習用の弾を効率よく沢山作りたかったのでそれに適した機材を選んで購入しました。

Redding T7 turret press

パウダーメジャーまでつけてますが、これは別の場所で使った方が使いやすかったので今は外してますw

一般的なプレスはセットできるダイは一つだけで用途毎に付け替えて使う仕組みですが、このプレスは7つのダイを同時にセットすることが出来、タレットを回転させることですぐに使いたいダイに切り替えることができます。

その仕組み上、精度が落ちるのでは…?という疑惑はあったのですがかなりガッシリとした作りで海外での評判も上々。ベンチレストで何ミリのグルーピングを競うのなら違ってくるのかもしれないですが、そういう用途では無いので使い勝手優先でこれを選択しました。

実際ダイの付け外しをする必要が無いのは楽ですね~。一般的なプレスでもクイックチェンジキットみたいなのを使うと簡単にダイの交換ができるようになるみたいですが、それでもレバーをカクっと回すだけのコレには敵わないでしょうw

精度面でも初撃ちで100mでCtC10mm以下のグルーピングを安定して出せたので、私の用途なら全く問題ないですね。

Redding competition bushing neck sizing die set

ダイも種類が多すぎてちんぷんかんぷんだったので、勧められるがままにこれを購入しました笑

最低限必要なダイは、弾頭を装着するためのシーターダイと、使用済み薬莢を形成するためのフルレングスダイです。

このセットにはフルレングスダイは実は含まれていないのですが、代わりにネック部分のみの形成を行うネックサイジングダイと、ボディのみの成形を行うボディダイが入っています。

基本的にはネックサイジングのみで使用して、薬室に入らないくらい薬莢が膨らんでしまったらボディダイにかける…みたいな使い方らしいです。ボルト式のライフルの場合は基本的にネックダイのみで使えるらしいですが、何回も使っているうちにボディも形成しないと薬室に入らなくなるらしい?まだ数回しか使ってないのでネックのみでいけてますがそうなったらまた追記します。

で、このセットのネックダイ及びシーターダイは上部にマイクロメーターが付いていて、シート長やネック形成の長さを簡単に調整できるようになっています。これのおかげで実包のOAL(Over All Length)の調整がとても楽でした。複数の種類の違う弾頭を使ったりすると弾頭事にOALを調整したりも必要になると思うのでますます便利…というか必須じゃない?ってくらいですねw

更にこのセットに入っているネックダイは普通のネックダイではなくてブッシングダイという種類のものです。普通のと何が違うかと言うと、ブッシングという金属のパーツを中にセットできるようになっていて、これのサイズを変えることでネックの径を決めてサイジングできるというものです。径の小さいものにするとシート圧が上がり、弾速も上がる?大きいものにすると逆に緩くなるので…、と色々調整が効くみたいですがまだ1種類のブッシングしか試してないので違いは分かりません笑

金色のパーツがブッシング

というか買った時は普通のより精度がいい!くらいにしか思ってませんでした笑

あとから調べてわかったのですが、通常のネックダイと比べて薬莢を引っ張る方向の力が掛かりにくいので薬莢が伸びにくいという利点もあるようです。

RCBS universal hand primimg tool

握力トレーニング!w

薬莢に雷管をセットするための道具です。雷管のセットはリローディングプレスでもできるので必須ではないのですが、こちらの方が雷管をまとめて入れることが出来て、薬莢をセットするだけでできるので楽だよ~ということで購入しました。

確かに作業は早いのですが、結構握力が必要でしんどいです笑

写真のように片手ではとても出来ないのでいつも両手でやっています。薬莢と雷管の組み合わせにもよるみたいで、新品薬莢だと特に固くて使ってるうちに緩くなってくるみたいですが2回目くらいだとまだまだ硬いですね笑

これも色んなメーカーから似たようなものが出ていて、比較的軽い力で出来るものや精度が高いものなどあるみたいです。

RCBS uniflow powder measure

木の台に固定して使う時だけ机の真ん中に持ってれるようにしています

便利グッズその1。火薬の計量を行うパウダーメジャーです。天秤で毎回量るのが1番正確だとは思いますが、とにかく時間がかかるのでそれを簡易化するための道具。

火薬の体積で計量する仕組みで、ネジを締めたり緩めたりして調整、1度調整するとレバーを上下するだけで1秒くらいで規定の量の火薬が出てきます。

これが案外正確で、粒の小さいBenchmarkという火薬を使うと10回計量してみて誤差はなんと±0.1grに収まりました。この精度でこの速度で出してくれるなら動的用の弾を沢山作るにはサイコーですw

写真だと薬莢にファンネルを被せてありますが、あれもいりません。パウダーメジャーの口に薬莢をつけてレバーを動かすだけで直に火薬を入れられるのでとにかく早いです。100個10分とかで入れられます。

問題点としては、その仕組み上、粒の大きい火薬を使うと精度が下がるようです。トレイルボスとかだとイマイチみたいですね。

使用頻度は高くないですが火薬の計量用の電子天秤、微調整用のパウダートリックラーもあると便利です。パウダーメジャーでの計量がメインでも、薬量を変えるときは天秤で量りながら調整する必要があるので必須ですね。スラッグのリロード用に買った電子天秤をそのまま使っているんですが、安物は精度があやしいのでむしろアナログの方がいいのかも。。高精度のしっかりしたものはかなり高いです笑

新品薬莢でのハンドロード

以上の道具で新品薬莢からのローディングには事足ります。手順は、

  1. 雷管の装着
  2. 火薬の充填
  3. 弾頭の装着

これだけです。簡単そうですね!w

その前にランドタッチのOALを計る

実包を作る前に確認しないとならない事があって、実包の全長、OALを決めることです。薬莢のサイズは一定なので弾頭の形状とシートの深さで決まるのですが、これが長すぎて装填しただけでライフリングに弾頭が噛んでしまう状態になると異常高圧が発生して宜しくないらしいです。なので一般的にはランドタッチ、弾頭がライフリングの始まりにピタッと触れるためのOALを調べて、それよりいくらか短い弾をつくるようです。どれくらい短いのがいいかは諸説あるようで…精度を追い求めると沼が深そう笑

SINCLAIR BULLET SEATING DEPTH TOOL

このステンレスの棒みたいなのがOALを測るための道具。これで測った長さを記録して、確認のため薬莢に弾頭をはめただけのダミーを作って装填してみます。写真のダミーはちょっと長めで弾頭にライフリングに噛んだあとが残っていますが、測った長さから0.3mm程度短い全長で作ったダミーはこの跡がつかなかったのでOK。それを規定のOALとしていよいよ実包を作ります。

雷管をはめる

ハンドプライマーで1個ずつはめていきます。握力トレーニングです笑

ちゃんと奥まで押し込まないと不発の原因になったりするみたいなので、力がいりますが毎回最後まで押し込みますw

火薬を入れる

パウダーメジャーでぱこぱこ入れるw

マジで簡単で早い!

テンポよく入れます笑

入れ忘れが発生しないように、火薬を入れたら1個1個ブロックに並べていくようにしています。

これなら火薬が落ちてこなかったりしない限りは入れ忘れはないはずですが、1ブロック分終わったら一応上からライトを当てて確認しています。

弾頭を取り付ける

ボートテールの弾頭なので適当に乗っけても落ちてこないです

シーターダイをセットして火薬を入れた薬莢を乗せ、その上に弾頭を乗せてレバーをガッチャン!

弾頭は結構ナナメっててもシートできるみたいですが、何となくできるだけまっすぐ乗せてガッチャンしてます。気分の問題かもw

あっという間に出来上がり!

新品薬莢からのハンドロードは100発1時間位でできちゃいます。スラッグに比べるとめちゃくちゃ楽ですw

使用済み薬莢でのハンドロード

使用済みの薬莢を再利用する場合はいくつか手順が増えます。

  1. 雷管の取り外し
  2. ケース洗浄
  3. リサイズetc
意外と綺麗だけど!

1回使用した薬莢。外見的にはネックに少しススがついてるくらいですが、中は真っ黒だし当然ネックも広がっています。

雷管の取り外し

RCBS Decapping die

まずは使用済み雷管をデキャッピングダイで外します。この工程は省略してそのまま洗浄→フルorネックダイを掛ければ、そちらにもデキャッピングピンがついているので雷管は勝手に取れるんですが、洗浄前に外せばプライマーホールも綺麗に磨けるよとオススメされましたw

後で使うケースルーブとかもこのダイには不要なのでひたすらガチャガチャやるだけです。100本やっても10分くらいかな?

ケース洗浄

Lyman cyclone rotary tumbler

ケース洗浄の道具は色々種類があるのですが、一番ピカピカになるらしいウェットタンブラーを選択しました。プラスチックのドラムの中に薬莢とステンレスのチップ、水と洗剤を入れてぐるぐる回します。200本くらいなら2~3時間でピカピカです。

ドラムの内部はゴム張りで騒音対策もされています

なかなかうるさいですが、マンションでも回せないことは無い感じです笑

どちらかと言うと下に響く振動が凄いので、私はベッドにブルーシートを敷いて、その上に置いて使っています。

これはステンレスのチップと薬莢を分離させるための道具。ぐるぐる回して遠心力で分離します。ウェットタンブラーの試運転で、10個くらいの薬莢を洗浄した時に「これくらいなら手作業で分離した方が早いかな~」なんて思って始めたらこれがめちゃくちゃ大変!中に張り付いたチップが全然出てこなくて10個綺麗にするだけで一苦労でしたが、これを使うと10回転4往復もするとほぼ完全に分離できます。必須アイテムw

ただ万が一中にステンレスのチップが残ったままリロードして、撃ってしまったりすると大変なことになりそうなので洗浄後はどこかのタイミングで内部をペンライトなどで確認した方が無難です。

新品より綺麗なくらいピカピカ!

洗った後はカゴに入れて食器乾燥機で乾かしていますw

時間かかってもいいなら自然乾燥でも特に問題なさそうですが乾燥機にかけると1時間でだいたい乾きました。

ネックサイジング

Wilson case length gauge

念の為ケースレングスゲージで長さを確認してみましたが、まだ一回使用しただけなのでほとんど伸びてはいないみたい。薬室への装填も問題なくできるのでとりあえず今回はトリミング無し、ネックリサイズだけでやってみます。

Imperial case sizing wax

ケースルーブをネックにちょこっと塗ります。指で1本取り出して塗ってダイにかけて~みたいな感じの作業。そんなに手間じゃないです。塗りすぎると凹んだりすることもあるらしいですが幸い今回は1個も凹みませんでしたw

ネックダイに切り替えてガッチャン。サイジングの深さを調整することでシート圧を変えられるのですが、どれくらいが適切なのかまだ分からないのでとりあえず最大の深さまで掛けていますw

フルレングスダイに比べるととても軽い力で作業できるのでサクサク進みます。薬莢が小さいのもあるのかなー。大きい薬莢のフルレングスとかすごい力要りそうなw

このダイだと最大でもこの辺くらいまでしか成形されないみたいです。

ネックダイでも多少ネックが伸びるらしいので、改めて何本かケースレングスゲージで確認しましたが特に問題なさそう。

これでサイジングはおしまいです。あとは新品薬莢の時と同じ手順で実包にします。

ピカピカの弾だと何だか当たる気がしてきます笑

そんなに大変な作業もないし、このピカピカな弾ができていく工程が楽しいです笑

あ、雷管はめるのは大変でした。あまり力がなくてもできるツールもあるみたいなので試してみよーかな。

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クレー射撃をするため2018年に猟銃所持許可を取得。スラッグ銃での静的射撃や動的射撃(ランニングターゲット)なんかにも手を出して射撃にどっぷりハマってます。

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